「とりかえっこ漫遊記」を読んで欲しい!
~あらすじコピペ~
運だけは誰よりも悪い私。
けれど生まれてこのかた命に関わるような事件に巻き込まれたことはないし、勢い余って悪事に手を染めたこともない。
そんな平凡な私にこれは何の冗談ですか?
トラブル巻き込まれ体質な私の異世界漫遊記。
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好きなオンノベは数あれど、やっぱりとりかえっこ漫遊記が好き!
以下、ネタバレ注意。
主人公のことが好きになれないと長編はなかなか読み進められない私が、夜が明けるまで読んでいられた小説。
読めば読むほど葉子のことが好きになるのが寝不足の原因。
しっかり自分をもって異世界で強く生きていこうとする姿に、好感を持たない人はあまりいないはず。
カッコイイし、かわいい。大好き。
一人称のくだけた文章だから、ラノベ慣れしてない人は、ややとっつきにくいかもしれない。でもだからこそ「いま彼女が考えてること」っていうリアルさがあって、私は逆にイイと思った。
葉子はわりとハッキリものを言うし、言うだけじゃなくて実行に移すタイプ(笑)。
でも、頭悪くて身分とかTPOとか何にも考えずに正義感ふりかざして空気読まないこと言うヒロインとは、まったく違う。一人称で心情がリアルに描かれてるからこそ、それがハッキリ分かる。
どんな酷い目にあっても、ぶれない芯があるんだよなあ。
葉子はほんと、これでもかってくらい、酷い目に合いまくる。
何も悪くないのにどうしてこんな目に、とか、お願いだから誰か彼女にやさしくしてくれよ、とか何度も思った。特に序盤から中盤にかけて。泣きすぎて顔がむくんだわドチクショウが。
強い人で、明るくふるまうけど、誰か慰めてあげてくれって心底思った。
どいつもこいつも酷いことばかり言うやがるしやりやがるし、不運の連続でかわいそすぎて、もうどうしようかと思った。
でも終盤、「ああ」とため息をついて納得する。
彼女の苦労は、決して無駄にはならなかったことに安心する。
それまで「不運の連続」だと思っていたことが、あるいは「幸運」だったかもしれないとまで思うようになる。(あくまでも、かもしれない、だけど)
胸をかきむしるようにして読む、だけど胸があたたかくなる話でもある。
かなり後半になるまで「恋愛ジャンル……?」と少し首を捻ることになるけど、最終的にとてもお似合いの人と落ち着くことになる。
長編だけど最後まで読んでほしい作品。
ちなみに私が一番好きなキャラは、伯爵。
メフィステニス伯爵がめちゃくちゃかっちょいいです。